経歴
看護師資格取得後、保健師資格を取得し、企業で働く人の健康を守る産業保健分野に携わる。大企業で産業保健師として勤務する中で、経営者の思いと社員の本音の間に生じるギャップを実感し、組織全体を支える仕組みの必要性を感じる。2023年、個人事業としてウェルビクリエイトを創業。福岡市の中小企業を中心に顧問契約で社員の健康管理や組織づくりを支援。2025年2月に法人化し、ストレスチェックの実施やフォローを含め、社員の心身の健康を通じて企業の成長を支える取り組みを行っている。
Q
御社の事業内容を教えてください。
社員が元気に働ける組織をつくることが企業の成長につながるという考えのもと、中小企業に対して社員の健康管理と組織づくりを支援する事業を行っています。顧問契約という形で企業と継続的に関わり、社員の面談や健康状態の把握を行いながら、心身の不調が大きな問題になる前に対応できる体制を整えています。
また、ストレスチェックの実施や実施後のフォローも行い、社員一人ひとりの状況を踏まえながら組織全体の状態を確認しています。社員から聞いた声や現場の状況を整理したうえで経営者へ共有し、経営者の考えと社員の置かれる状況の間に生まれる認識のずれを整理しながら、組織としてどのように改善していくかを提案しています。社員の心と体の健康を整えることで、企業が安定して事業を続けられる組織づくりを支えています。
Q
産業保健師の必要性を教えてください。
社員の体調不良やメンタル不調は、問題が表面化してから対応すると休職や離職につながり、会社の運営や生産性に大きな影響が出ます。特に人員が限られる中小企業では、一人が抜けるだけでも業務の負担が周囲に広がり、組織全体のパフォーマンスが低下するケースもあります。保健師が関わると、社員一人ひとりの健康状態だけでなく、部署ごとの雰囲気や人間関係、働き方の負担などを早い段階で把握できます。
面談や現場の状況確認を通して組織の状態を整理し、経営者へ客観的な視点として共有します。保健師は個人のケアだけを行う存在ではなく、組織全体が元気に働ける状態を整える役割です。問題が起きてから対応するのではなく、起きる前の段階で改善につなげることで、離職の予防や組織の安定につながります。結果として人材の定着や組織力の向上に寄与します。
Q
保健師として大切にされていることを教えてください。

保健師として大切にしているのは、組織の中心にいる人の考え方との向き合い方です。会社経営は社長のマインドや生き方が組織全体に影響すると考えています。だからこそ、組織を良くしたいなら、社員だけに変化を求めるのではなく、まず経営者自身が自分の考え方や社員との関わり方を見直すことが重要です。だからこそ私は、できていない部分だけを指摘するのではなく、経営者と同じ方向を見ながら状況を整理し、何が組織に影響しているのかを一緒に考えることを大切にしています。
対立する立場で伝えるのではなく、隣で同じ景色を見ながら伝えることが必要です。経営者が自分の言葉で考えを深め、必要な行動を選び直していくことで、社員との関わり方が変わり、組織全体の状態も変わっていくと考えています。経営者の変化が、組織を変える一番早い道だと感じています。
Q
今後のビジョンや目標を教えてください。
中小企業に保健師がいる環境を当たり前にしていくことが目標です。企業では産業医は配置されていますが、社員の声を継続的に聞き取り、健康状態や職場環境を把握しながら関わる保健師はほとんど配置されていません。実際に1000人規模の企業でも産業医しか配置されておらず、人事部の方が社員の声を拾うために四苦八苦している状況を知り、社員と直接関わる保健師の必要性を強く感じました。
社員のメンタル不調や職場の問題は、症状が表面化してから対応すると企業側の負担も大きくなります。保健師は社員の健康状態を確認するだけではなく、組織全体を見ながらメンタル不調や離職につながる前の段階で職場環境を整える役割を担います。働く人の健康が企業の成長を支え、働く人が安心して働ける環境が企業の未来を支えます。
働く人の幸せな未来と企業の成長のために、保健師が活躍する未来を作っていきたいです。
(取材者:西澤のコメント)産業保健師としての強い覚悟と、仕事に対する使命感が伝わる時間でした。予防という立場だからこそ抱える苦悩も率直に語ってくださり、その言葉に重みを感じました。橋口さんの思いに共鳴する保健師は全国に多くいるのではないかと思います。保健師の価値を広げる挑戦を、これからも応援しています。

- 企業名
- ウェルビクリエイト株式会社
- 代表者
- 橋口 麻友子
- 所在地
- 佐賀県神埼郡吉野ヶ里町立野1220-7
- 設立
- 2025年2月
- 事業内容
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- ・健康経営実践サポート(元気に働ける組織作りと社員育成)
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