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INTERVIEW

株式会社Life Producers / 竹中 吉生

他者の幸せが”働く意味”になる

KEIEISYA PRIME

経歴

テレビゲームのエンジニアとしてキャリアを始め、その後SES業界に入り、20年以上この分野で経験を積む。大きな会社を育て、約2000人の若者を育成し、11人の社長を送り出すなど、人材育成に力を注いできた。2017年ごろに経営の第一線から退き、会社を譲渡。2021年に全てを失う経験を経て、オーナーの誘いでSES事業を行う株式会社Life Producersを設立し、やる気がない・自信がない若者を育てる経営者である。

Q

御社の事業内容について教えてください。

弊社ではSES事業を中心に事業を展開しております。弊社ホームページにはITシステム開発、業務アプリケーション開発、人材育成コンサルティングなども事業として掲載しておりますが、それらは私自身がこれまで携わってきた領域を示しているものであり、現在の事業の軸はあくまでSESにあります。

私はもともとテレビゲームのエンジニアとしてキャリアをスタートし、その後SESという働き方に出会ったことで、エンジニアの成長過程や現場での働き方を長く見てきました。未経験からでも現場で経験を積みながらスキルを高めていけるこの仕組みに可能性を感じ、社員一人ひとりが着実に力をつけていけるようなサポート体制づくりを大切にしています。

現在はSESを通じて安定した事業基盤を維持しながら、それぞれの成長に合わせた働き方ができる環境を整え、運営しております。

Q

なぜ「挑戦に消極的な人」や「自信のない人」をあえて育てようと思ったのでしょうか。

私自身が幼少期の頃にいじめに遭った経験もあり、自尊心低く、挑戦するやる気や自信がない方の気持ちが痛いほど分かるのです。

そんな私が気づいたら営業をして会社を持ち、2000人ぐらいの方たちを育て、社長も11人育ててきました。そこで、「やる気や自信は、成功とあまり関係がない」と実感したんです。そういった経緯と自分の経験をもとに、消極的な方や自信のない方に焦点を当て、育てたいと思うようになりました。

ご縁により出会ったSESという事業を通して人材を育成したいと考えたのですが、それをやらせてくれる会社が世の中にないので、自分で会社をやるしかないと思い至りました。

Q

竹中さんが考えている "働く意味" とはなんでしょうか。

私は「自分が幸せになるために、誰かを幸せにすること」が働く意味だと考えています。ただ、頑張れば幸せになれるという、単純な話ではないと思っています。

例えば、月25万円の収入があれば生活は十分に成り立ちます。では、その収入が2倍の50万円になったとき、幸せが2倍になるかと言うと決してそうではありません。その後「もっと収入を増やさないと」と金額だけを追い続ければ、心はいつまでも満たされず、苦しさだけが増えていくと感じました。

そのため私は、お金を先に追うのではなく、まず他者を幸せにすることを大切にしています。他者を幸せにするために、スキルや知識を身につける。その結果として、お金は自然と後からついてくるのだと考えました。その考えに自分自身が納得するために、私は今も必死に学び、働き続けています。どんな「考え方」で働くか、それこそが一番大切だと考えています。

Q

経営において気をつけていることはありますか。

私は経営において「こうでなければならない」というものを一つも作らないことです。考え方を固定してしまうと視野が狭くなり、判断の幅だけでなく自分の余裕まで奪ってしまうからです。

そこで意識して口にしてるのが「余裕があるから」という言葉です。この一言をあえて口にすると、感情の位置がふっと上がり、自分を俯瞰して見られる感覚が生まれます。

多くの悩みは、起きてもいない未来への不安や、もう変えられない過去にとらわれているだけだと気づけるのも、この俯瞰の姿勢のおかげです。経営は常に状況が変化しますが、余裕を保ちながら物事を捉えることでぶれずに判断でき、自分の幸福感がどこにあるのかも見失わずにいられます。私はこうした姿勢を大切に経営と向き合っています。

(取材者:山田のコメント)竹中さんは、「余裕」という言葉の裏に、幾度も失い、立ち上がってきた覚悟を宿す方でした。やる気も自信もない若者を信じ切る姿勢に、経営の厳しさと人への深い慈しみを感じました。

企業名
株式会社Life Producers
代表者
竹中 吉生
所在地
広島県東広島市西条中央3丁目26番5号
設立
2021年7月
事業内容
  • ・SES事業
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