経歴
山口県宇部市生まれ。皇學館大学大学院修了後、三重・大阪・東京の私立高校で教員として勤務し、進路指導主事や野球部監督を歴任。不登校生徒と向き合う中で、その可能性と学校制度の限界を実感する。2019年に教職を退き、東京都北区でフリースクール・サポート校「滝野川高等学院」を設立。2022年に株式会社自由教育として法人化し代表取締役に就任。2025年時点では生徒数100名超のフリースクールを運営し、2026年4月には放課後等デイサービスの開設を予定している。
Q
御社の事業内容について教えてください。
不登校のお子さま向けの日中の居場所として、フリースクールサポート校と学習塾を運営しています。対象は小学生・中学生・高校生が中心で、大学生ぐらいまで、要相談で社会人や50代で高校の卒業資格取得を目指す方も受け入れています。全体で110名以上が所属しており、週1日から週5日まで通う日数を選べるため、1日あたりの利用者はおおよそ30〜40名です。
午前中は勉強で、全科目の個別指導を中心にスタッフが回りながら教えます。漢字検定や英語検定など検定学習も盛んで、巡回会場として5つ以上の検定がここで受けられます。午後はレクリエーションで、アクセサリー作りやレジンのキーホルダーを作り、地域のお祭りや学園祭で販売します。水曜日はギター教室、木曜日は将棋教室で、日本将棋連盟の指導者の資格を持った方が来て、段位が認定されることもあります。
Q
どのようなお子さまが多く通っていますか?

私のところに多く通っているのは、不登校を経験している小学生・中学生・高校生で、年齢としては7、8歳から18歳くらいの子が中心です。学校という枠組みが合わなかったり、人間関係や評価に疲れてしまった子が多いですが、暗い子ばかりではなく、本来は明るく感受性が強い子が多い印象です。特性が強く出ていて、他の居場所では断られてしまった経験を持つ子もいます。
ここでは異年齢の中で過ごすため、上の子が下の子を教えたり、逆に下の子が上の子に教えたりする場面も自然に生まれています。体験を通して「ここに来たい」と子ども自身が感じたことをきっかけに通い始めるケースが多く、日々の関わりの中で、その子がもともと持っていた自由さや前向きさが少しずつ表に出てくる子どもたちが多いです。
Q
体験入学を“1回のみ”にしているとのことですが、その理由を教えてください。
私が体験を1回だけにしているのは、今ここに所属している生徒が一番だというポリシーがあるからです。体験はある意味集客行為なので、手厚くすれば集客にはつながりますが、知らない子どもたちが何回も来ることになると、今いる生徒たちを不安にさせてしまうことにつながります。1回しかできないから来ないという方は、入学されなくても仕方がないと思っています。
もう一つは、保護者の方に吟味する考えを薄めてほしいからです。不登校の子どもは体力や精神力が弱っている時期でもあるので、複数を比較して選ぶこと自体が疲れてしまいます。来てみて雰囲気が気に入ったら一度入ってみて、合わなければ辞めて他を探せばいい。フリースクールはいつ入っていつ辞めてもいい場所ですし、入学金も相場よりも低く設定し、軽い気持ちで入れる設計にしています。合うかどうかは入ってみないとわからないと思っています。
Q
現時点での目標や将来のビジョンについて教えてください。
私の目標は、「子どもを誰一人取り残さない社会をつくる」ことです。不登校の子どもだけでなく、その周辺にあるさまざまな教育課題や生きづらさに、これからもアプローチし続けます。2026年の4月には、現在のスクールから歩いて10分ほどの場所に放課後等デイサービスを立ち上げ、発達障害や軽度知的障害、グレーゾーンの子どもたちが放課後に通える学童のような場をつくります。10人ほどを3人以上のスタッフで支える手厚い療育で困りごとを解決し、社会へつなげたいと考えています。
今後は放課後デイを2店舗、3店舗と増やし、フリースクールもさらに拡大し、できたら就労支援A型・B型にも取り組みます。経済的に苦しい家庭でも通える低価格設定は変えたくないので、この地域で10年かけて支援の仕組みを形にしていきたいです。
(取材者:山田のコメント)教育を仕事としてではなく人生として捉えている姿勢が強く印象に残りました。経営者として嬉しかった出来事として、かつてスクールに通っていた子どもが成長し、今はスタッフとして働いてくれているという話を聞いた瞬間、私まで胸が熱くなり、正直泣きそうになりました。人に真剣に向き合い続けた時間が、こうして循環しているのだと感じました。

- 企業名
- 株式会社自由教育
- 代表者
- 豊田 毅
- 所在地
- 東京都北区浮間1-1-6KMP北赤羽駅前ビル3F
- 設立
- 2019年4月
- 事業内容
-
- ・フリースクールの運営
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