経歴
中学時代に漫画『家栽の人』に影響を受け弁護士を志し、大学進学を機に上京。「知大立国」を目指すという当時の小泉純一郎首相の話や、スターバックスのロゴ訴訟に関心を抱いたことが、弁理士を目指すきっかけとなった。2000年8月、都内の特許事務所に事務員として入社し、実務を通じて学び、2005年に弁理士登録を果たす。14年間在籍し1万件超の商標に携わった後、2019年にシルベ・ラボ商標特許事務所を創業。現在は、中小企業の知的財産部を創設・育成するコンサルティングも展開している。
Q
御社の事業内容について教えてください。
企業が大切にしている商品の名前やロゴを外部から真似されず安心して使用し続けられるよう、特許庁へ商標登録の出願の代理などを行なっています。
名前やロゴは会社の顔となる存在です。そのため、事前の調査や書類作成から、出願後の審査対応まで、一つひとつ丁寧にサポートしています。審査には半年以上かかることもあり、審査が通らなかった場合は、特許庁の過去事例を踏まえて意見書を作成し、登録に向けた対応までフォローしています。
また、商標だけでなく、技術やアイデアを守る特許業務にも対応しています。新しい商品やサービスを生み出す企業の方とは、「どこを権利として押さえれば他社に真似されないか」を一緒に整理するコンサルティングも行っています。商標を多く扱う会社には、調査や管理を効率化する検索システムの導入支援も行い、知的財産を事業成長に結びつけるサポートを幅広く提供しています。
Q
御社設立のきっかけを教えてください。

私は学生の頃、弁護士を目指して司法試験の勉強を続けていましたが、何度挑戦しても結果が出ず進路に悩んでいました。そんな時、当時の小泉政権が知財立国を掲げ、未来志向の知的財産という分野を知り、弁理士の領域なら社会に新しい価値を生む仕事ができると感じました。
ちょうどその頃、スターバックスとエクセルシオールのロゴが争われた事例を知り、ブランドを守る商標の重要性に強い関心を持ったことも大きな転機でした。弁理士試験を受けるにあたり、元々受けていた司法試験と共通科目もあり、これまでの学びが活かせると思い特許事務所に入社しました。
働く中で、下請け的で士気が上がりにくい一方、特許や商標は企業の差別化を支え、より良いものを生み出すための重要な仕組みだと実感しました。厳しい環境でも前向きに取り組める場を自分でつくりたいと思ったことが、独立を決めた一番のきっかけです。
Q
御社ならではの差別化ポイントや他社にはない強みはなんですか?
商標や特許の権利化手続きに加え、知的財産の戦略的な管理・活用のためのコンサルティングを提供している点は、他社にない差別化ポイントになっています。事業で収益があがっているということは、必ず何かしらの知的財産が存在します。
しかし、知的財産を単に権利化しただけで終わってしまっている場合や、そもそも収益の源泉となっている知的財産が何であるか認識できていない場合が多く、より競争力がある経営資源として磨き上げるためには、経営や事業が分かる専門家を交えて、知的財産権の知見を経営や事業と組み合わせることが効果的です。
弊社では、知的財産の権利化とその戦略的な管理・活用を別と捉え、知的財産権の専門家である弁理士と、知的財産を専門とする事業コンサルタントが一体となってお客様の経営課題の解決をサポートさせていただいており、他社にはない強みとなっています。
Q
どのような人材を求めていますか?

この業界は意外にニッチな世界なので、なかなかピタッとくる人材と合わなかったり、人の流動性が激しいという状況があります。弁理士の平均年齢は50代中盤と若い人が少ないため、この分野に関心を持ち、20代から携わってみたいと考えてくださる方に、知ってもらいたいです。事務所としても手が足りておらず、長期的な企業成長のためにも新しい仲間を迎えたいと思っています。
今後は経験や資格がある即戦力でなくとも、私たちの思いや取り組みに共感し、仲間になってくださる方に基礎から丁寧に教えていきたいと考えています。一緒に楽しくやっていける素地があり、日々の事務作業に楽しみを見いだし、周囲と和気藹々と仕事ができる方であれば年齢関係なく歓迎します。
Q
現時点での目標や将来のビジョンについて教えてください。
私の目標は、この業界をもっと楽しく、前向きに働ける場にしていくことです。特許事務所はどうしても慎重にならざる得ない仕事が多く、常に期限との隣り合わせで士気が上がりにくい業種です。
ただ、その中でも楽しく取り組める環境をつくりたいと思っています。
また、特許や商標は企業が競合との差別化を図るための大切なツールです。
特許制度がうまく機能すれば、良いものを作ろうとする正しいスパイラルを支えることができ、世の中全体も良くなると考えています。
人の流動性が激しい業界だからこそ、経験がなくても楽しく働ける素地のある方に来てもらい、長く成長し続けられる事務所にしていきたいです。私たちは、企業様の挑戦に並走できること自体にも大きなやりがいを感じています。
今後はSNSも活用し、事務所の思いがより届く形で発信していく未来を実現したいと思っています。
(取材者:大神田のコメント)企業様が大切にしている商品の名前やロゴを守るに対して、親身にクライアント様と向き合われている姿勢をインタビューを通して感じました!

- 企業名
- シルベ・ラボ商標特許事務所
- 代表者
- 潮崎 宗
- 所在地
- 東京都千代田区麹町5丁目2番地 K-WINGビル10階
- 設立
- 2019年10月
- 事業内容
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- ・商標や特許の出願 / 権利化
- ・知財コンサルティング
- ・商標業務のシステム導入支援
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