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INTERVIEW

株式会社BRAIN / 針谷 遼

脳卒中による後遺症は改善できる

KEIEISYA PRIME

経歴

2011年に理学療法士国家資格を取得。病院で6年、脳卒中患者の臨床に従事し、保険制度の制約に課題を痛感。トヨタグループの保険外リハビリ施設で自費領域を経験後、2021年4月に東京23区で脳卒中専門の保険外リハビリ「BRAIN」を創業し訪問型で開始。2023年1月に世田谷区砧で実店舗を開設、同年3月に株式会社BRAINを設立。EBPを軸に発信を重ね、2025年10月に世田谷区成城へ移転しTMS・BMIなど高度機器も導入。現在は専門支援とセラピスト教育を担う。

Q

御社の事業内容について教えてください。

当社では、脳卒中患者様に対する専門的な保険外リハビリテーション事業を主軸に展開しております。国内の医療保険制度では、週2〜3回までしか提供できないリハビリの制約がある中で、海外でエビデンスとして示されている「週5回以上の継続的なリハビリ」に着目し、より回復を目指せる環境を提供しています。発症から時間が経過した方に対しても、手足の運動機能の改善、歩行の再獲得、発語や言語機能の回復を目的とした支援を行っております。

また、TMSやBMIといった大学病院レベルの機器を活用し、脳活動へ直接アプローチしながら、患者様一人ひとりに合わせたリハビリを実施しています。加えて、理学療法士や作業療法士などの専門職向けに、海外論文を基にしたオンライン学習事業も行い、現場の質向上にも取り組んでおります。

※TMS:頭皮の上から脳の特定の部位に磁気刺激を与え、脳細胞の活動を調整する治療法のこと。
※BMI:脳の活動を測定・分析し、その信号を使ってコンピューターやロボットアームなどの機器を操作する技術のこと。

Q

保険内、保険外の違いについて教えてください。

私が保険内と保険外の違いとして感じているのは、リハビリの量と自由度です。

脳卒中は後遺症が残る病気で、国内では良くならないというのが定説になっていますが、海外ではリハビリをしっかり行えば良くなると言われています。その条件として、発症から時間が経った後も週5回以上リハビリを続ける必要があります。ただ、日本の保険制度では医療保険や介護保険を使うと、制度上の制限により最大でも週2、3回までしか受けられません。そのため、本人が前向きに頑張っていても回数が足りず、思うように回復しない方が多いのが現実です。

私はそうした現場を多く見てきた中で、この制度の枠を補完する選択肢が必要だと感じました。患者さんが本当に良くなるために必要な量と内容のリハビリを、状態に合わせて柔軟に提供したいと考え、保険外という形を選んでいます。

Q

御社ならではの差別化ポイントや他社にはない強みはなんですか?

差別化ポイントは大きく二つあります。一つ目はセラピストの質です。一緒に働いているセラピストは全員、経験年数が八年目以上で、理学療法士や作業療法士の中でも国内保有率が3%と言われる認定資格を持っています。採用時には海外の論文を読み取り、その内容をリハビリにどう生かすかを見る筆記を行い、エビデンスに基づいた実践ができるかを重視しています。

もう一つは、回復に必要な量を確保できる料金体系です。海外で言われている週5回以上のリハビリを続けやすいよう、利用回数が増えるほど割引になる仕組みにしています。さらにTMSやBMIといった大学病院レベルの機器を取り入れ、脳に直接アプローチできる点も強みです。質と量の両方を大切にし、患者さんが良くなりやすい環境を作っていることが、他社にはない強みだと考えています。

Q

現時点での目標や将来のビジョンについて教えてください。

私が目指しているのは、脳卒中の後遺症が治る社会をつくることです。国内では、脳卒中は後遺症が残り良くならないという考え方がまだ強い一方で、海外ではリハビリのやり方や量を工夫すれば良くなると言われています。私はこれまで病院や民間のリハビリ施設で働く中で、その可能性が制度や組織の制約によって充分に活かされていない現実を見てきました。本来であれば良くなるはずの方が、環境の違いによって回復の機会を失っていることに違和感を感じていました。

だからこそ、海外の情報や再生医療、TMSやBMIといった治療を組み合わせながら、どうすれば患者さんが本当に良くなるのかを検証し、その結果をデータとして社会に発信していきたいと考えています。脳卒中の後遺症は治るものだと自然に言える社会をつくることが今の目標です。

(取材者:山田のコメント)「脳卒中の後遺症は治らない」という定説そのものに疑問を投げかけ、そこで苦しみ続けてきた人を本気で救いたいという針谷さんの覚悟を感じました。保険内では回復に限界があった方に、制度の外から寄り添おうとする姿勢は一貫しており、言葉の端々に患者第一という思いがにじんでおりました。脳卒中後遺症に向き合う多くの方にとって、大きな希望になる取り組みだと感じています。これからの挑戦を心から応援しています。

企業名
株式会社BRAIN
代表者
針谷 遼
所在地
東京都世田谷区成城6-5-25 第一住野ビル407
設立
2023年3月
事業内容
  • ・脳卒中専門保険外リハビリ施設BRAINの運営
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