経歴
同志社大学文学部社会学科卒業。ニッセンにて婦人服のMDとして中国生産の商品開発を手がけ、良品安価なヒット商品を創出。その後、ドギーマンハヤシでペット商材の通販事業をゼロから立ち上げ、全国の動物病院にカタログを展開。アークレイでは上海にて血糖測定器の通販会社設立に携わる。2012年にアジアインタートレード株式会社を設立し、当初は台湾進出支援を行うが、帰国後は規格外野菜の販売へ転換。現在は全国百社以上の卸価格を比較し、青果や精米を最適価格で提供する事業を展開している。
Q
御社の事業内容について教えてください。
弊社の事業は、飲食店や介護施設など法人向けに業務用食材を供給する食品卸ビジネスです。規格外野菜やB級野菜を扱った経験を経て、現在は価格競争力のあるA級野菜を中心とした仲介モデルを確立しました。全国100社以上の卸業者の価格差を分析し、最適な仕入先を選定できます。納品書に適正な利益を上乗せして販売する、いわば伝票型のビジネスです。顧客ごとのニーズや価格条件に合わせ、仕入先を柔軟にマッチングしています。
近年はB級米の販売にも注力し、テレアポやGoogleリスティング広告を活用して介護施設や弁当店、学食、寮などへ拡大しています。受発注はクラウドで一元管理し、実稼働の取引先は300〜400件にのぼります。さらに、完全栄養パンや食品ロス削減アプリなど、フードテック分野にも挑戦しています。
Q
なぜ今の事業をしようと思ったのでしょうか?
私が現在の事業を始めたきっかけは、知人との何気ない会話でした。「まだ食べられるのに廃棄されている野菜がある」と聞き、それなら安く仕入れて飲食店へ届ければ成り立つのではないかと直感しました。当時は“規格外”という言葉もよく知りませんでしたが、台湾で飲食店の進出支援に携わり、食材に触れていた経験が背中を押しました。
まずは千葉や埼玉の農家を回って協力先を探し、売り先がゼロの状態からFAXやDMで飲食店へ案内を送付し、数店舗の返信をもとに小さくスタートのが始まりです。しかし、実際には品質面での厳しい声もあり、決して順調とは言えませんでした。試行錯誤を重ねる中で、同じ品目でも仕入れ先によって価格が大きく異なる現実に気づき、価格差に着目する現在のモデルへと発展しました。値下げをして「助かる」と言われる瞬間が、今も続ける原動力です。
Q
多数の仕入れ先と顧客をどのように管理・マッチングしていますか?

仕入れ先は全国で100社以上、実稼働の取引先も300〜400社にのぼります。マッチングは自動化ツールに頼らず、これまで培ってきた知見と経験をもとに、卸ごとの価格、納期、品質の傾向を把握し、お客様の条件に応じて最適な組み合わせを判断しています。価格重視であれば最安値帯を、納期優先であれば多少単価が高くても迅速に対応できる先を、品質重視であれば安定供給が可能な先を選定します。
選択肢を多く持つことで、どのようなご依頼にも必ず提案できる状態を維持し、機会損失を防いでいます。仕入れ先はネット検索の奥深くまで綿密に調べ、地道に連絡を重ねて開拓してきました。受発注はクラウドで一元管理し、伝票処理は全国の業務委託が担うことで、私は営業の最前線に専念することができています。
Q
現時点での目標や将来のビジョンについて教えてください。
現時点での売上は約3億5,000万円なので、まずはこれを10億円規模まで伸ばすことが当面の目標です。そのうえで、将来的には無理なく続けられる体制へと整えていければ理想だと考えています。現在60歳なのですが、70歳くらいまでは新しい挑戦をし続けたいと考えています。一方で、その先の承継については家族への引き継ぎや売却も含め、柔軟に検討するスタンスです。
事業面では、野菜や米に続く商材をあと2〜3本育てたいと考えています。価格競争力があり、リピート性が高く、一定の単価が見込めることが条件です。食品に限るつもりはありませんが、売り切り型ではなく継続的な取引につながるモデルを重視しています。あわせて、完全栄養パンや食品ロス削減アプリなど、食に関わる新しい取り組みも着実に形にしていきたいと思っています。
(取材者:山田のコメント)台湾進出支援から帰国後、規格外野菜の販売へと転じ、価格差に着目して独自のモデルを築いてこられた歩みが強く印象に残りました。品質クレームや人材の離脱といった壁に直面しながらも、試行錯誤を重ねて事業を磨き上げてこられた姿勢に、起業家としての胆力を感じます。価格で価値を届け続けるという一貫した軸が、現在の成長を支えているのだと実感した取材でした。

- 企業名
- アジアインタートレード株式会社
- 代表者
- 高木 潔
- 所在地
- 東京都千代田区九段南1丁目5番6号5階
- 設立
- 2012年4月
- 事業内容
-
- ・食品卸(野菜、米)
-
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