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INTERVIEW

一般社団法人こころ相談研修センター / 杉下 味香

経営者と社員のすれ違いや離職を防ぐ

KEIEISYA PRIME

経歴

兵庫県の特別支援教育センターや学校現場でのカウンセリング業務を経て、2012年に不登校や発達障害のある子ども向けの塾・相談室を開所。これまでの教育関係の仕事を生かし、地域や年齢、相談内容に関わらず寄り添える場づくりを志す。2016年11月に法人化し、2017年より放課後等デイサービス、2019年児童発達支援、2020年フリースクール、2021年に各事業を拡充、2025年より相談支援を開始。現在はスタッフ48名らとともに心の拠り所を築く代表理事である。

Q

御社の事業内容を教えてください。

私たちは、企業や医療機関に向けた業務委託型のカウンセリングサービスを提供しています。病院では看護師や事務職員の方々のメンタルケアを目的に、希望者を募って定期的なカウンセリングを実施しています。企業では離職防止を目的とした取り組みとして、全社員を対象に月1回の面談を行うケースのほか、社員のみを対象としたカウンセリングや、経営者ご本人への個別カウンセリングにも対応しています。さらに、社員の状況を踏まえて管理職へフィードバックを行うコンサルティングや、メンタルヘルス研修、チームビルディング研修、会議の雰囲気をより良くするための研修なども、企業ごとの課題に合わせてオーダーメイドで提供しています。

また、児童発達支援や放課後等デイサービス、保育所等訪問支援に加え、障がいのある方が福祉サービスを利用する際の計画を作成する相談支援など、福祉分野における支援にも幅広く取り組んでいます。

Q

どのようなご相談を受けることが多いですか?

企業から寄せられるご相談で多いのは、まず従業員側の「しんどさ」に関する内容です。同僚との関係がうまくいかない、仕事の質・量の負担が重い、上司との距離感が難しいといった悩みに加え、勤務時間や産休・育休をめぐるつまずき、家族やお子さんのことなど私生活も絡む相談が多い印象です。

一方で経営者側は離職の悩みが中心で、良い人材ほど定着しない、育てた後に独立してしまうという声もあります。伝え方を誤るとパワハラと受け取られる不安から関わりを深めにくく、良かれと思った一言が誤解を生み関係がずれるケースも少なくありません。そこで、双方の思いと言葉を整理し、必要に応じて管理職へのフィードバックも行いながら、早期解決へつなげるために関係性を調整してほしいという依頼が多く寄せられています。

Q

良い職場作りのために大切なことを教えてください。

良い職場をつくるためには、お互いの思い違いをそのままにしないことが大切だと考えています。社長が励ますつもりで伝えた言葉でも、受け取る側が人格否定と感じてしまえば、そこから退職を考えるきっかけになることもあります。だからこそ、双方が安心して本音を言葉にできる環境を整え、早い段階で気持ちのズレを調整することが重要だと思っています。

また、関係を良くするためには、お互いの立場を想像する姿勢も欠かせません。経営者は、自分が社員だった頃にかけてもらって嬉しかった言葉や関わり方を思い出しながら接することが大切です。一方で社員も「会社が成り立つためにどれだけの売上が必要なのか」といった経営の視点を理解しようとすることが必要です。互いの立場を理解し合うことが、信頼関係を育てる土台になると考えています。

Q

将来のビジョンや目標を教えてください。

私は、困っている人がそのまま孤立して終わるのではなく、誰かとつながり、前に進める社会になってほしいと願っています。相談を受けた以上、その方が少しでも解決へ向かえるよう関わり続けたいと考えてきました。現代は働く中で心身の負担を抱える人が増えており、結果として離職につながってしまうケースも少なくありません。

だからこそ、個人だけでなく働く環境や社会の仕組み全体を整えていくことが大切だと感じています。さらに、児童養護施設を巣立つ子どもたちが社会に出た後、仕事を辞めてしまって孤立してしまうケースがあるので、職場体験などを通じて自分に合う働き方を見つけられる環境づくりにも関心を持っています。働く人と職場の双方が無理なく続けられる関係を築くことが、離職防止にもつながると考えています。

(取材者:山田のコメント)お話を伺う中で、経営者も社員も本来は会社を良くしたいという想いは同じなのに、立場の違いによってすれ違ってしまうことのもったいなさを強く感じました。本来大切なはずの思いやりや相手の立場を想像することは、忙しい日常の中でつい後回しになりがちです。だからこそ、そのズレに気づき関係を整えてくれる存在の価値の大きさを改めて実感しました。

企業名
一般社団法人こころ相談研修センター
代表者
杉下 味香
所在地
兵庫県明石市大久保町大窪1557-8
設立
2016年11月
事業内容
  • ・カウンセリング事業
  • ・心理検査
  • ・研修事業
  • ・放課後等デイサービス
  • ・フリースクール事業
  • ・児童発達支援事業
  • ・保育所等(学校園や児童養護施設)訪問支援
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