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INTERVIEW

株式会社flower / 玉置 優子

暮らしに本を取り戻す場所

KEIEISYA PRIME

経歴

書店勤務を経て、本に囲まれる環境の中で接客や売場づくりの経験を積む。結婚・出産を機に一度書店を離れ、社労士事務所にて実務に従事する中で資格を取得。その後、社労士として独立し、給与計算や労務支援を中心に事業基盤を築く。将来的に書店を開業したいという思いから、株式会社flowerを設立し、社労士業務と並行して準備を進める。現在は大阪・阿倍野の住宅街にて、書店「BOOK ‘N’ BOOTH」を運営。小説を中心とした選書やイベントを通じ、本と人が交差する場づくりに取り組んでいる。社労士と書店という二軸を掛け合わせ、無理のない持続的な事業運営を実践している。

Q

御社の事業内容を教えてください。

事業の中核は、大阪・阿倍野の住宅街で運営している書店「BOOK ‘N’ BOOTH」です。もともと、長年書店で働いていた経験を通じて、本に囲まれる環境の楽しさや価値をもう一度形にしたいという思いから、この書店を立ち上げました。店内は小説を中心に据えながら、児童書や雑誌、実用書なども揃え、幅広い方に手に取っていただける構成にしています。また、本を販売するだけでなく、読書会やトークイベントも定期的に開催し、地域の方が自然と集まり、人と人がつながる場をつくることを大切にしています。さらに、初めての方でも入りやすい雰囲気づくりも意識しています。

こうした取り組みを続けるために、社労士業務を事業の基盤としており、給与計算などの支援を通じて安定した収益を確保しています。社労士と書店という二つの軸を組み合わせながら、本のある日常を残していくことに力を注いでいます。

Q

書店にこだわる理由を教えてください。

私が書店にこだわっている理由は、長年書店で働いていた経験の中で、その時間が人生の中でも一番楽しかったからです。一度書店を離れてみて、本に囲まれて人と本の話ができる環境が、自分にとってどれだけ大事だったかを改めて実感しました。また、今は書店自体が減ってきていて、身近に本に触れられる場所がなくなっていく中で、この場所をなくしたくないという思いも強くあります。

実際に、お客様が本を通じて何かを感じて帰ってくださる瞬間を見ると、この空間には価値があると感じますし、「ここに来てよかった」と言っていただけることも続ける支えになっています。儲かるかどうかだけではなく、自分にとって意味があるかどうか、その軸でこの場所を続けています。

Q

御社ならではの差別化ポイントや他社にはない強みはなんですか?

当店の強みは、小さな規模だからこそ実現できるお客様との距離の近さと、提案の深さ、そして柔軟に形を変えられる点にあると考えています。住宅街にある書店のため、わざわざ足を運んでくださる方が多く、その分、会話が自然と生まれます。その中でいただいた言葉をもとに、ただ在庫を探すだけでなく、その方に本当に合う一冊を考えてご提案することを大切にしています。また、本を販売するだけでなく、読書会やトークイベントを通じて、人が集まり、本について語れる場をつくっていることも特徴です。

これらのイベントや企画の多くは、お客様の声から生まれており、日々の対話を通じて柔軟に形を変えています。規模で勝負するのではなく、一人ひとりとの関係性を深めながら、本との出会いをつくり続けている点が、私たちならではの強みだと感じています。

Q

現時点での目標や将来のビジョンについて教えてください。

現時点での目標は、何よりもこの書店を「持続可能な形」で守っていくことです。本屋という業態は厳しい環境にあるため、自身の社労士業務で基盤を支えながら、書籍販売だけに頼るのではなく、グッズ展開や読書会、発信活動などを組み合わせて収益の幅を広げています。また、「ここに来れば何かある」と思ってもらえる場所にするため、地域に根ざした場づくりや企画にも注力しています。さらに今後は、ZINEの出版や外部活動などの新しい取り組みを通じて、自ら本の価値を届ける機会を増やしていく構想です。

現在は住宅街という立地上の課題もあるため、将来的には移転も視野に入れつつ、本屋という存在を少しでも長く残すことを軸に、無理のない形で続けていくことが私のビジョンです。

(取材者:大神田のコメント)本屋という厳しい業界の中でも、無理のない形で続ける工夫や考え方がとても印象的でした!お客様との距離の近さや、対話から生まれる店づくりにも温かみがあり、単なる書店ではなく人が集まる場としての価値が伝わってくるインタビューのお時間でした!

企業名
株式会社flower
代表者
玉置 優子
所在地
大阪市阿倍野区天王寺町3-8-4
設立
2024年8月
事業内容
  • ・書店「BOOK ‘N’ BOOTH」の運営
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