経歴
アクモホールディングス株式会社代表を務め、水で発電するアクモキャンドルの普及に取り組んでいる。応用化学を学んだ後、証券会社で営業経験を積み、27歳で建築材料事業を起業。人工砂「マイルドサンド」により事業を拡大し、2001年より水発電装置・バッテリーシステムの研究開発に着手。2011年、資本金1億円で同社を設立。子会社TSC、aqumo-liliも展開し、2021年には東京くらしのフェスティバルへ出展。現在は、防災用途に加え、無電化地域での雇用創出と光の提供に挑んでいる。
Q
御社の事業内容を教えてください。

弊社では、建築材料の研究開発を原点に、現在は水で発電する「アクモキャンドル」を中心とした防災・非常用ライトの展開に力を入れています。もともとは、不燃断熱ボードや人工砂「マイルドサンド」など、建築分野の材料開発を手がけてきました。その研究の中で、偶然、水に反応して電気が生じる現象を目にしたことが、発電分野にのめり込むきっかけとなりました。
アクモキャンドルは、水や唾液、化粧水、尿などの液体があれば発電し、乾電池のように使わないまま劣化する心配がありません。災害時に本当に大切なのは、家や会社にある備蓄まで無事にたどり着くことです。だからこそ、普段から持ち歩ける小さな光を届けたい。さらに、海外の無電化地域では、手作業で製造できる仕組みを生かし、雇用を生みながら、安価な明かりを届けることにも挑戦しています。
Q
なぜ「家に置く防災グッズ」ではなく「持ち歩く光」が必要だと考えているのですか?

防災グッズを家に置いている方は多いと思います。しかし、人は家の中だけで生活しているわけではありません。むしろ、外にいる時間の方が長い人も多いはずです。そこで地震や停電に遭ったら、家にどれだけ備蓄があっても、そこまで帰れなければ意味がないのです。東日本大震災の時も、街は真っ暗になり、歩くことすら大変でした。
そんな時に、鞄やポケットに小さな光が一つあれば、会社や家までたどり着ける可能性が高まります。アクモキャンドルは21グラムほどで持ち歩けて、水や唾液、化粧水、尿でも発電できます。乾電池のように使わないまま劣化して、いざという時に点灯しないという心配もありません。災害はいつ来るか分からない。だからこそ、家に置く備えだけではなく、自分の身につけておく光が必要だと考えています。
Q
現地で雇用を生む仕組みにこだわる理由を、改めて教えてください。
現地で雇用を生むことにこだわるのは、お金を渡すだけでは本当の意味で生活は変わらないと感じてきたからです。私は、現在の電気事業を行う前に電気のない生活を体験するため、フィリピンやバングラデシュの無電化地域で暮らすことを体験しました。ただ、現地で実際に生活してみると、米粒一つないような暮らしを目の当たりにしました。お金を置いて帰ることはできましたが、それで一週間生き延びても、仕事がなく、その日を生き抜くことに必死な方がほとんどでした。
現地の人が自立して食べていける環境を作るためには、最低限でも自分たちで稼げる仕事をつくるしかないと思ったのです。アクモキャンドルは、大きな機械がなくても手で作れます。現地で材料をそろえ、組み立てられれば、働く場所が生まれ、収入につながる。しかも、電気のない人たちに安い光を届けることもできます。単なる寄付ではなく、仕事として続く仕組みにしなければ意味がありません。だから私は、現地で作り、現地の人が食べていける形にこだわっています。
Q
大手企業や行政と組むことができれば、どのような展開を実現したいですか?
大手企業や行政と組めるなら、まずはアクモキャンドルを全国の人が知っている状態にしたいです。これは一部の人だけが持つものではなく、本来は国民一人ひとりが持っていてよいものだと思っています。災害が起きた時、水やトイレは比較的早く届くことがありますが、光はなかなか届きません。だから、行政が備蓄したり、企業がノベルティとして配ったり、ホテルが宿泊者に渡したりすれば、人を守る仕組みになります。
さらに海外では、ODAのようにお金を出すだけではなく、現地でアクモキャンドルを作れる体制をつくりたい。そうすれば、電気のない地域に安い光を届けられるだけでなく、働く場所も生まれます。社会貢献は形だけでは意味がありません。大手企業や行政の力を借りて、必要な人に必要な光が届く仕組みを、本気で世界に広げたいです。
(取材者:大神田のコメント)水で発電するアクモキャンドルの技術力だけでなく、災害時に人の命を守り、無電化地域に雇用と光を届けようとする強い信念がとても印象的でした!社会貢献をきれいごとで終わらせず、事業として実現しようとする想いを強く感じるインタビューのお時間でした!

- 企業名
- アクモホールディングス株式会社
- 代表者
- 鈴木 進
- 所在地
- 東京都新宿区四谷三栄町6-17 パークサイド四谷1F
- 設立
- 2011年6月
- 事業内容
-
- ・マグネシウム電池を中心とした次世代エネルギーの研究開発販売
-
Facebookで
シェアする -
Xで
つぶやく -
LINEで
送る -
メールで送る
-
この記事のURLをコピー
URL copied
