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INTERVIEW

ファームモリンガ合同会社  / 砂田 裕

モリンガで叶える循環

KEIEISYA PRIME

経歴

高校時代にフィリピンへ留学し、現地文化と英語に触れる。帰国後は携帯販売会社で店長・マネージャーを務め、横須賀で米軍関係者向け販売を開拓。2013年、フィリピン・ダバオでオンライン英会話スクールの立ち上げに携わる。帰国後、自身が健康や食への関心を深める中でモリンガの可能性に着目。2025年、フィリピンでファームモリンガコーポレーション、日本でファームモリンガ合同会社を設立。現在は、モリンガ栽培、商品化、カーボンクレジットを軸に、循環型アグリビジネスを推進している。

Q

御社の事業内容を教えてください。

弊社は、フィリピンでモリンガを植樹し、育て、収穫し、乾燥・製品化したうえで、日本へ届ける事業を行っています。モリンガは90種類以上の栄養素を含むと言われ、「奇跡の木」とも呼ばれるほど栄養価の高い植物です。もともとは、私自身が健康や食への関心を深める中、妻へ「モリンガを日本に輸入できないか」と相談したところから始まりました。

現在は、フィリピンの農家の方々と協力し、安定して生産できる体制づくりを進めています。日本では、健康志向の方に向けたサプリやお茶に限らず、モリンガソルトやドレッシングなど、普段の食卓で自然に取り入れられる商品展開を進めています。また、人用だけでなく、畜産業での飼料やペットフード、有機肥料液の制作や種子等を利用した化粧品等の制作も視野に入れ、モリンガをさまざまな形で生かす事業を進めています。

Q

モリンガの栽培から乾燥、製品化までの品質管理で大切にしていることは何ですか?

品質管理で大切にしているのは、まず現地の栽培環境をきちんと理解し、ひとつひとつの工程を丁寧に積み上げることです。モリンガはフィリピンでは身近な植物で、一般家庭の裏庭にも生えているほどですが、事業として安定供給するとなると、話はまったく違います。実際、挿し木の方法や植える時期を誤ると、雨季に水を吸いすぎて腐ってしまい、大きな損失につながったこともありました。

だからこそ、栽培から収穫、乾燥、製品化まで、現地スタッフに一つひとつの工程を繰り返し伝えることを大切にしています。日本に届ける以上、人が口にするものとして安心できる品質でなければなりません。人用として使えるものと、家畜用や肥料に活用できるものを分けながら、ロスもできるだけ生かす。単に生産量を増やすのではなく、モリンガの価値を正しく届けられる形を整えていきたいです。

Q

日本で栽培されるモリンガとの違いは、どのような点にありますか?

大きな違いは、栽培できる期間と供給量にあります。モリンガはもともと亜熱帯地域の植物ですが、地球温暖化の影響もあり、日本でも栽培できる地域が増えてきました。ただ、日本では夏から秋にかけて育て、収穫は基本的に年1回ほどです。そのため、品質の高いモリンガを生産することは可能ですが、安定して大量に供給するには限界があります。

一方、フィリピンは一年を通して温暖なため、1本の木から年に4〜5回ほど収穫できます。私たちは現地の農家と協力しながら、将来的にはより広い農地で生産できる体制を整えていきたいと考えています。日本産とフィリピン産の優劣というより、それぞれ異なる役割があります。私たちはフィリピンの気候と土地を生かし、サプリやお茶だけでなく、調味料や飼料などにも展開できる安定供給力を強みとしています。

Q

現時点での目標や将来のビジョンについて教えてください。

現時点での目標は、まずフィリピンで育てているモリンガを安定して収穫し、日本へ届ける体制をつくることです。2026年の8月、9月頃から収穫が始まる予定なので、そこからモリンガソルトやドレッシングなど、日常の食卓で自然に取り入れられる商品を広げていきたいと考えています。ただ、私たちが目指しているのは、単に健康食品を販売することだけではありません。

モリンガは二酸化炭素を多く吸収すると言われており、将来的にはカーボンクレジットを通じて、カーボンニュートラルを目指す企業の後押しもできると考えています。今は20ヘクタール規模ですが、50ヘクタール、100ヘクタール、そして500ヘクタールへと広げていき、現地の農家の雇用を生み、健康にも環境にも貢献する。そうした取り組みを通じて、SDGsのゴールに少しでも近づける事業として育てていくことが、私たちの大きなビジョンです。

(取材者:千葉のコメント)モリンガを日々の食卓へ届けたいという砂田様の想いが印象的でした。フィリピンの自然を生かしながら、健康や環境につながる循環を生み出す取り組みに、これからの広がりを感じました。

企業名
ファームモリンガ合同会社 
代表者
砂田 裕
所在地
茨城県下妻市本城町2-104-1-201
設立
2025年12月
事業内容
  • ・フィリピンにてモリンガを植樹し日本にて商品販売